ストレッチは「グラデーション」ホイールヨガの魅力


ホイールヨガで体を整える

微細な感覚と解剖学からのアプローチ


ホイールヨガは、ただ「胸を開く」だけのツールではなく、体の解剖学的な仕組みを利用して、呼吸を深め、神経系を落ち着かせていくサポートをしてくれます。

今日は「ストレッチのグラデーション」「感情や呼吸の濃淡」について、ちょっぴり専門的な視点からまとめてみたいと思います。


筋膜と関節は“少しずつ伸ばす”と変わる

体を包む筋膜は、一気に強く引っ張ると防御反応で硬くなります。

けれども、小さな動きをじっくりと繰り返すことで、弾力や柔軟性を取り戻しやすくなるとされています。

ホイールを使うと、特に脊柱(背骨)の自然なカーブが整いやすくなり、胸郭の動きも広がるのがポイント。

その結果、横隔膜や肋間筋が働きやすくなり、呼吸が深まっていきます。


ストレッチも感情も「グラデーション」

私たちが感じる伸びには段階があります。

「心地よい伸び」「じわじわ深まる伸び」「少し強い伸び」…

このようにグラデーションを感じ取れること自体が、体の感覚を磨く練習です。

感情や呼吸も同じです。

「少し楽しい」「まあまあ楽しい」「すごく楽しい」という段階があるからこそ、豊かに味わえます。

呼吸も、浅いところから胸、背中、骨盤底へと広がる段階があります。

ヨガはその微細な違いを観察する時間なのです。


神経系が安心すると体は開いていく

ホイールヨガで大切なのは「速く・強く動かす」ことではなく、小さな動きで神経系に安心の信号を送ることです。

固有受容器(筋紡錘やゴルジ腱器官)は、安全な範囲での持続的な刺激でリラックスへと切り替わります。

その結果、交感神経の緊張がゆるみ、副交感神経が優位になりやすくなります。

だからこそ、ホイールヨガは「体を開く練習」であると同時に、心を落ち着かせる調律の時間にもなるのです。


胸を開くと苦しい人への工夫

中には「胸を開こうとすると苦しい」と感じる方もいます。

胸を張るクセや背中の緊張が強いと、ホイールを背中に当てても胸が開かず、腰や首に負担がかかってしまうのです。

その場合は、いきなり背中にホイールを入れるのではなく、まずは背中を丸める動きで緩めることから始めましょう。

次に、ホイールを肩甲骨の下あたりに小さく当て、呼吸で胸郭が広がるのを待つようにすると安全です。

「胸を張る」のではなく、「呼吸で自然に胸が広がる」意識に切り替えること。

これが、苦しさを心地よさに変えるポイントです。



ホイールヨガは、筋膜や関節を解放し、呼吸を深め、神経系を落ち着かせる素晴らしいツールです。

・ストレッチにはグラデーションがある

・小さな動きから始めることで体が安心し、柔軟性が高まる

・胸を開くのが苦しい人は、緩める→呼吸で開く→小さなホイールの使い方

この流れを大切にすると、ただの「ストレッチ」ではなく、心身を調律する深い時間へと変わっていきます。

ホイールヨガは「強く反らすための道具」ではなく、「繊細さを味わうためのパートナー」。

ぜひ、自分自身の体と心の変化をじっくり感じてみてください。

Sun&Moon Yoga

松戸市のヨガ教室です ヨガ指導歴19年のインストラクターが一人ひとりに寄り添い丁寧に指導します。動きを楽しめるクラス構成で、初心者の方には、安心を。経験者の方にちょうどよい深まりをご提供します。多彩なプログラムをご用意しております。身体に痛みがある、不調がある方もどんどんご相談下さい。メディカルヨガ、ヨガセラピー、身体学の視点からアドバイス、調整させて頂きます。

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