お腹に力を入れると深層筋が働かない
私のヨガレッスンでは、必要なときには「お腹の力を抜く」ことを大切にしています。
ヨガでも、スポーツ全般でもそうですが、“必要最小限の力”で理想的なフォームをつくることが、とても大切なんです。
本来の柔軟性や持久力、集中力が発揮されるのは、ちょうどよく力が抜けているとき。
逆に、力が入りすぎていると、その人が持っているポテンシャルさえ損なわれてしまうことが本当に多いです。
この「力を抜くことの大切さ」については、何回かに分けて投稿していこうと思っています。
今日は、“コア”――腹部のインナーマッスルにフォーカスしてお話しますね。
🔷 お腹の奥を働かせるには、「腹直筋を緊張させない」ことが必須
◆ 腹直筋(お腹の表面) vs 腹横筋(お腹の一番奥)の役割の違い
腹直筋 … 表層にある。体幹の前屈や姿勢の固定。「動作の力」を担当。
腹横筋 … 深層にある。お腹を内側から引き締め、内臓・背骨・姿勢を「支える」。呼吸や排泄にも深く関係。
👉 腹直筋が緊張していると、腹横筋が自然に働く余地がなくなってしまいます。
→ 結果として「下腹部の感覚が鈍くなる」「呼吸が浅くなる」「骨盤が不安定になる」といった影響が出ます。
🔶 腹横筋を活性化させるには、「お腹を脱力して動く」が鍵
◆ なぜ脱力が大事?
腹横筋は、微細で自動的な制御を得意とするインナーマッスル。
力でコントロールするのではなく、“ゆるんだ状態から自然に起動する”タイプ。
つまり「頑張らずに、ふわっと支える感覚」が必要なんです。
🔷 よくある誤解:「お腹を引き締める=腹横筋が働く」は間違い!
多くの方が…
「お腹に力を入れる=体幹トレーニング=腹横筋が働いている」と思いがちですが、
実はその多くが腹直筋による固定であり、
深層の腹横筋はかえって働かなくなっていることが多いのです。
✅ 腹横筋を活かすための4ステップ
まず脱力する(腹直筋の緊張をゼロに)
呼吸に合わせて、腹部の内側の動きを感じてみる
“引き上げる”よりも、“支えられている”感覚を探す
下腹部の「静かな支え」を感じながら動作する
このプロセスを繰り返すことで、腹横筋が自然に使える体になっていきます。
🧘♀️ ヨガ・セラピーの視点から
腹横筋は「力」で目覚めるのではなく、「感覚」で目覚めます。
表層の力をゆるめたとき、ようやく深層の知性が働き始めるのです。
💡 まとめ:コアを活かすために
腹横筋を使うには、腹直筋の力を抜くことが大切です。
表層の筋肉に頼らず、もっと深い場所から身体を支えるには、まず“脱力”がスタート地点。
お腹に力を入れて動くクセがあると、下腹部の感覚が失われてしまい、本来使うべき筋肉が目覚めなくなります。
日常動作の中でも、「力で支える」のではなく、内側から“自然に支えられる感覚”を育てること。
これが腹横筋を活性化させる第一歩です。
そして、腹横筋が使えるようになると、バランスポーズでも小さな力でリラックスして身体を支えることができるようになります。
無駄な力みが抜けることで、長時間でも安定してポーズをキープできるようになり、
体幹の深い支えと内側の感覚が一致してくるのを実感できるはずですよ♡
0コメント