自分を後回しにしないという選択 ― 日常に宿るセルフリスペクト ―
セルフケアは、セルフリスペクトがあってこそ成り立つもの。
多くの方が、すでにいろいろなセルフケアを日常に取り入れていると思います。
ヨガをすること、朝一杯の茶湯を飲むこと。
散歩に出かけたり、肌のお手入れをしたり。
ゆっくり湯船に浸かる時間も、心と体を整える大切なセルフケアですね。
けれど、その土台にある「自分自身をどれだけ尊重しているか」という視点には、あまり意識が向いていないかもしれません。
たとえば、人間の三大欲求のひとつである「排泄」。
トイレに行きたい、という体からのごく自然なサインです。
打ち合わせの途中だから。
家事がまだ終わっていないから。
話の腰を折るのは申し訳ないから。
そんな理由で、つい我慢してしまう。
「あと少しだから」「これが終わってから」と、体の声を後回しにすることは、大人になるほど当たり前のように身についていきます。
他にも、喉が渇いているのに水分をとらなかったり、
疲れているのに「まだ頑張れる」と休まなかったり、
寒さや暑さを感じているのに、周囲に合わせて我慢したり。
こうした小さな場面は、日常の中にいくつも潜んでいます。
それは決して「意志が弱い」からでも、「セルフケアが足りない」からでもありません。
むしろ、周囲を思いやり、責任を果たそうとしてきた結果でもあります。
ただ、その積み重ねの中で、
自分の感覚や欲求よりも「外側の都合」を優先することが、いつの間にか習慣になっていることがあるかもしれません。
欲求に素直になること。
体からのサインに、きちんと応答してあげること。
それはわがままでも、自己中心的でもなく、
「私は私を大切に扱います」という、宣言のようなものです。
セルフケアの本質は、何か特別なことを足すことではなく、
すでに感じているものを、感じているままに扱うことなのかもしれません。
自分を尊重すること。
自分に敬意を払うこと。
その感覚が少しずつ戻ってくると、
ヨガも、呼吸も、日々のセルフケアすべてが、
「整えなければならないもの」から
「自分とつながる時間」へと変わっていきます。
まずは「トイレを我慢しない」と決めて、実際にやってみませんか?
それだけのことなのに、なかなかに気分の良いものですよ♪
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